ご案内
クルマの相談であった。
少しお歳をめした方で、いままでいろいろな中古車に乗ってきたが、今回は″ナ後のクルマ″になるからと、奥さんが臍繰りを出してれ、新車を買ったらどうかとすすめられたというのだ。
予算や家庭の状況も聞かなかったし、これまで乗ったクルマの歴史も聞いていないので、即断はできないが、あえてここで、そのご相談にお答えしよう。
まず60歳ぐらいの御夫婦だから、 長距離を走ってもあまり燃費が悪ないクルマ、静かで乗り心地のいいクルマであることが条件であろう。
大切なことだが相当なクルマ好きの方と想像できるので、そのクルマの個性も重要なはずだ。
まず国産車。
小型で個性的で、扱いやす、乗り心地がいいということなら、スバルのインプレッサのオートマチックを選びたい。
少々ノイズは高いが、それ以外はいいクルマだ。
燃費はトヨタ・カローラや日産サニーよりも少し悪いというところだ。
インプレッサ・ワゴンはクルマとして個性的で、クルマ好きならこのクルマのよさがわかるだろう。
もうひとつへ少し大きいクルマなら、コロナは、5ドアがいい。
トヨタ車はなんといっても信頼性が高く、長もちする。
クルマそのものはつまらないが、いいクルマであり、運転も楽だ。
あと考えられるのはホンダのドマーニだ。
このクルマはバランスがいい。
ホンダのクルマは″エンジン命″であるが、この点でもカーマニアなら満足できるだろう。
外国車ならやっぱりVWゴルフーをすすめる。
VWゴルフーでいこう UJのオートマチックがいい。
VWゴルフーはまず、いいクルマであることの他に、衝突の際、安全である。
乗り心地を重視すればルノー・ルーテシアやプジョーも悪ないが、なんといってもVWゴルフーの信用をこの際重んじたい。
女房の親切というか、愛情はありがた思うし、それに小型のクルマのほうが、取り扱いが楽になった。
若いころはどんなに大きいクルマでもブン回したもの近ごろはジャグァでもちと手にあまる。
スティアリングは軽、その他のコントロールも軽いほうが助かる。
特別なパワー装備は必要ではないが、エアコンディショナーは欲しい。
オートマチックとマニュアル、どちらかといえば、東京で生活する私にはオートマチックのほうがありがたい。
歳をとると、歳をとることのいろんなことがわかっている。
年寄りになってはじめてわかるのは、カンシャクが爆発する場面が多なるということだ。
ライトの明るさの問題で、近々解決すると思う。
日本はこれから年寄り大国になる。
それに社会が対応するには、まず、医療機関やその他の充実が大切ことはそれだけではあるまい。
いま、お年寄りグルマを開発中らしい。
べつにハイテクを駆使した自動運転化したクルマになる必要はない。
それではお年寄りをバカにしていることになってしまう。
お年寄りは他人に迷惑をかけずに生きへ運転することが大切なのだから、おせっかいなクルマはきっとお年寄りには気に入られないだろう。
歳をとることはなにもかもが初体験なので、私にとって新鮮な驚きである。
これからますます私も歳をとっていが、ときどきここに書いた電話の一件のようなエピソードがあるから、生きているっていいナと思え、クルマはやっぱり素晴らしいと思うのである。
日本の自動車界もようや不景気から脱出できそうな気配私は、日本の自動車メーカーは不況どころではない、かつてないピンチにみまわれていると思っている。
今年は昨年より多少はいい数字が残せるかもしれないが、それでもピンチであることには少しも変わるまい。
なぜピンチなのか。
いまの日本の自動車メーカーは″りたいクルマ≠ェ存在しない、あるいは、思い浮かばないという状態にあるからだ。
日本の自動車工業は、昭和30年ごろから本格的に自動車を作りはじめた。
当時は、アメリカ車のようなクルマを作るという大目標があり、アメリカのような生産設備を持つことが夢だった。
その夢と目標は、その後、国内に大マーケットが出現するのと時を同じして達成された。
日本の自動車は、生産量で世界一になり、そこからは文字どおり我が世の春であった。
あいかわらず、やれドイツ車、次はイタリア車と、マネは横行したが、ターゲットはいつも世界で最も優れたクルマへ向けられていた。
ポルシェと対等に走れるクルマ、メルセデスのように高級で精度の高いクルマ、アルファ・ロメオのようなしゃれたスタイルのクルマはつねに近未来に向いていた。
アウディ・クアトロがすごいとなると、国産メーカーはこぞってオーストリアのシュタイア・プフ社へ出かけ、4輪駆動車の設計を依頼したものである。
外国のアイディア、パテントを使い、日本のクルマは生産量を伸ばしてきた。
現在の世界的な自動車の大変動期を、日本のクルマ産業はそれにどう対応していいかハッキリとわからぬまま迎えた。
折りあしバブルのツケが回って、自動車不況である。
そんななか、日本車メーカーは、これからどんなクルマを作ればいいか″がわからない。
国内のユーザーも、もはやメーカーのいうことをそのまま信じるほどナイーヴではなくなった。
マーケティングもきわめて難しい状態になってきたのである。
今年10月、パリサロンでの日本車はまことに情けなかった。
世界中から集まったジャーナリストは、日本車のブースへ立ち寄ろうともしないのだ。
パリの代表的スポーツ紙「レキップ」は%本車の時代は終わった″と書いた。
彼らはもはや日本の自動車に、かつてのような驚きは感じられないのだ。
彼らも壊れないクルマを作るようになったのだ。
意識が日本のメーカーにあるのだろうか。
メーカーが何を作っていいかわからないというなら、一方のユーザーも、何を買ったらいいのかわからないという状態である。
いまの日本のユーザーは、自分たちがどんなクルマを望むのか、ユーザー自身がわかっていない。
これもまた大きな問題だ。
ただ自動車さえあれば幸せであり、豊かな生活と思えた。
それから30年を経て、日本人の収入は見かけ上は世界一になり、たしかに金銭的には豊かになった。
その収入でどんな生活をするのか、イメージがほとんどないのである。
こいつは日本の自動車界というより、日本人そのものの問題だ。
℃ゥ分たちはどんな生活をしたいのか。
どんな生活がいいと思うのか。
どんな人間になりたいのか″という意識は日本の国民全体にとって、きわめて重要である。
そこがわかってくると、どんなものが欲しいのかがハッキリする。
それをどう使うのかもハッキリする。
バブル期を頂点として日本人にとって一番大切なのは金であり、金の有無がときとして人間の価値をも決めるかのように考えられてきた。
金もたしかに大切それだけで人間が幸せになるワケじゃないことは誰でも知っている。
毎日の豊かで楽しい生活こそが大切なのである。
それには文化的な部分も必要だろうし、世界においての社会性といった部分も必要だろう。
これからの日本人はどういう人間なのか、そのイメージを確立する必要がある。
それがあってのクルマなのである。
日本のユーザーの多は給与所得者だから、休みが多なると考えていいだろう。
年間100日の休みはもう普通だ。
こうなると休みの過ごし方も、これまでのものとは違ってくる。
かつては3連休、4連休は家族でどこかへ旅行しょうということになった。
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